はじめに
こんにちは、カラコルム山脈のハイキングに参加したビンビンです。今回は、カラコルム山脈の素晴らしさを皆さんにお伝えしたいと思います。カラコルム山脈とは、パキスタンとインドの国境にある世界最高峰の山脈で、ヒマラヤ山脈やカイラス山脈と並ぶアジアの三大聖域のひとつです。ここでは、雄大な景色や多様な文化に触れながら、ハイキングを楽しむことができます。私は一週間ほどかけて、カラコルム山脈の魅力を体感するハイキングツアーに参加しました。このブログでは、そのハイキングの様子や感想を紹介していきたいと思います。
まず、ハイキングの目的とコースの概略を紹介します。私たちが参加したハイキングツアーは、カラコルム・ハイウェイという道路沿いにあるフンザやパスーなどの村々を巡るものでした。カラコルム・ハイウェイは、パキスタンの首都イスラマバードから中国の新疆ウイグル自治区まで続く約1300kmの道路で、世界最高所にある国際道路として有名です。この道路沿いには、カラコルム山脈の名峰や氷河が連なり、息を呑むような美しさが広がっています。私たちは、この道路をバスやジープで移動しながら、途中で降りてハイキングを楽しみました。ハイキングの難易度は中程度で、標高も3000m以下でしたので、登山経験が少ない人でも参加できると思います。
次に、ハイキングに必要な装備や注意点を述べます。装備は、快適な歩きやすい靴や服、日差しや寒さ対策の帽子やジャケット、水分補給用の水筒や飲料水などが必要です。また、日焼け止めや虫除けスプレーなどもあると便利です。注意点は、標高が高い場所では酸素が少なくなるため、無理をせず自分のペースで歩くことです。また、水分補給はこまめに行うことも大切です。さらに、現地の人々や文化に対しては敬意を持って接することです。特に宗教的な場所では、服装や態度に気を付ける必要があります。
以上が、カラコルム山脈のハイキングの目的とコース、装備と注意点についての説明です。これからは、一日ごとにハイキングの詳細をお伝えしていきます。どうぞお楽しみに!
1日目:イスラマバードからチラスへ
カラコルム山脈のハイキングの始まりです。朝早く、イスラマバードのホテルを出発し、カラコルム・ハイウェイを北上しました。カラコルム・ハイウェイは、世界最高所の国際道路で、パキスタンと中国を結んでいます。この道路は、インダス河やその支流に沿って走り、壮大な山々や渓谷を見せてくれます。
途中、シャティアールという村に立ち寄りました。ここでは、インダス河畔の岩壁に描かれた岩絵を見ることができます。岩絵は、紀元前1000年から紀元後500年にかけて、この地域に住んでいた人々が残したものです。動物や人物、戦闘や狩りの場面などが描かれており、古代の文化や生活を垣間見ることができます。
岩絵を見た後、再びカラコルム・ハイウェイを走りました。しばらくすると、雲の上からそびえる巨大な山が見えてきました。それは、ナンガ・パルバットです。ナンガ・パルバットは、標高8126メートルで世界第9位の高峰です。その北面は、世界最大の崖として知られており、高さは約4500メートルもあります。その迫力に圧倒されました。
夕方になって、チラスという町に到着しました。チラスは、カラコルム・ハイウェイ沿いにある小さな町ですが、観光客向けのホテルやレストランがあります。私たちは、チラスで宿泊することにしました。
夕食は、パキスタン料理を楽しみました。パキスタン料理は、インド料理に似ていますが、より辛いと感じました。チキンカレーやナン(パン)、サラダなどを食べました。特においしかったのは、チャパティという薄いパンにチーズや野菜を挟んだものです。これは、カラコルム・ハイウェイ沿いでよく売られているローカルフードです。
1日目は、カラコルム・ハイウェイの風景や歴史に触れることができました。明日は、フンザという美しい谷に向かいます。楽しみです。
2日目:チラスからフンザへ
この日は、カラコルム・ハイウェイを走りながら、フンザという夢のような場所に向かいます。フンザは、パキスタンの北部にある美しい谷で、春には杏や桃の花が満開になります。フンザの人々は、長寿で知られており、その秘訣は、自然の恵みをたっぷりと受けることだと言われています。
チラスを出発してしばらくすると、ウルタルやラカポシといった雪をかぶった山々が姿を現します。これらの山々は、カラコルム山脈の中でも特に高くて美しいもので、まるで天界から降りてきたようです。私たちは、息をのむような景色に感動しながら、カメラを手放せませんでした。
フンザに到着すると、私たちは早速、フンザの名物である杏のドライフルーツやジャムを買いました。杏は、フンザの人々にとって重要な食材で、栄養価が高くて美味しいです。私たちは、杏のジャムを塗ったパンやチャイ(紅茶)を食べて、一日の疲れを癒しました。
夕食は、フンザの伝統料理であるチャプシュロというピザのようなものを食べました。チャプシュロは、小麦粉で作った生地にチーズや肉や野菜を乗せて焼いたもので、とてもボリュームがあります。チャプシュロは、ハイキングにも持って行ける便利な食べ物です。
フンザで宿泊したホテルからは、夜空に輝く星や月明かりに照らされた山々が見えました。私たちは、フンザの静かで神秘的な夜を楽しみながら、明日のハイキングに備えて眠りにつきました。
3日目:フンザ周辺のハイキング
この日は、フンザの美しい景色を堪能するために、いくつかのハイキングコースに挑戦しました。まずは、フンザ上部にあるドゥイカルの丘から、ウルタル谷の入り口付近まで歩きました。ドゥイカルの丘は、フンザの谷や周囲の山々を一望できる絶景スポットです。特に、朝日に照らされたウルタルやラカポシなどの雪山は、圧巻でした。ウルタル谷は、世界最高峰の岩壁を持つウルタル山がそびえる深い谷です。谷に沿って歩くと、緑豊かな草原や小川、牧草地などが現れます。谷の中には、フンザ人が暮らす小さな村もあります。村人たちはとても親切で、私たちにお茶や果物を振る舞ってくれました。ウルタル谷のハイキングは、自然と人とのふれあいを楽しめる素晴らしい体験でした。
午後は、ラカポシの北面を仰ぎ見るショートハイキングにも挑戦しました。ラカポシは、標高7788メートルの巨大な山で、その北面は約6000メートルもの高さがあります。その壮大な姿は、まるで天空にそびえる城壁のようでした。ラカポシの北面を見るためには、フンザから車で約30分ほど走ったところにあるミナプィン村から出発します。ミナプィン村からは、約2時間ほど歩いてミナプィン氷河まで行くことができます。ミナプィン氷河からは、ラカポシの北面が正面に見えます。その迫力と美しさには、言葉を失いました。ラカポシの北面を見るハイキングは、短時間で大満足できるコースです。
夕方は、フンザ王国時代の象徴バルチット城やフンザの村を散策しました。バルチット城は、約700年前に建てられた木造の城で、フンザ王国の歴史や文化を知ることができます。城からは、フンザの谷や山々が見渡せます。フンザの村では、杏や桃などの果物やナッツ類が豊富に売られていました。フンザ人は、これらの食べ物を毎日食べているそうです。そのせいか、フンザ人はとても健康的で長寿な人が多いと聞きました。私も早速、おいしい果物やナッツ類を買って食べました。フンザ王国時代の城や村を見ることで、フンザの歴史や文化に触れることができました。
3日目のハイキングは、フンザの魅力を存分に味わえる一日でした。フンザの景色は本当に美しくて感動的でしたし、フンザの人々はとても温かくて親切でした。フンザは、私にとって忘れられない場所になりました。
4日目:フンザからパスーへ
この日は、フンザからパスーまでの間に、グルキン氷河とパスー氷河の二つの壮大な氷河を見ることができます。グルキン氷河は、カラコルム山脈の中でも最も美しい氷河の一つと言われています。氷河の表面には、色とりどりの石や土が散らばっており、まるで花畑のように見えます。この氷河のアブレーションバレーをハイキングすると、シスパーレやウルタルなどの高峰群が目の前に広がります。空気は澄んでいて、青空と白い雪が鮮やかに映えます。ハイキング中には、地元の人たちや動物たちとも出会うことができます。羊飼いや牧場主の人たちが、親切に道案内をしてくれたり、お茶や果物を分けてくれたりします。ヤクやウシ、ヒツジなどの動物たちも、好奇心旺盛に近づいてきます。彼らと触れ合うことで、カラコルム山脈の暮らしについても少し知ることができます。
パスー氷河は、グルキン氷河よりもさらに大きくて迫力があります。この氷河は、カラコルム山脈の中心部にある巨大な氷河群から流れ出しています。そのため、パスー氷河の入り口付近からは、多くの山々が見えます。その中でも特に目立つのが、パスー・コーナーズと呼ばれる四つの尖った峰です。これらの峰は、パスー村からもよく見えるランドマークです。パスー村から少し歩いたところにある展望地からは、パスー氷河を眼下に望むことができます。この景色は、まさに息を呑むほど美しいです。パスー村では、地元の人たちが経営するゲストハウスに宿泊します。夕食は、カラコルム山脈で有名な料理をいただきました。チャプシュロという名前の料理で、小麦粉で作った生地に肉や野菜を包んで焼いたものです。外はカリカリで中はジューシーで、とてもおいしかったです。
5日目:パスーからホーパルへ
この日は、パスーからナガールのホーパル村へ移動しました。ホーパル村は、ウルタルやブアルタール氷河などの壮大な景色を望むことができる素晴らしい場所です。ホーパル村からビューポイントまでのハイキングは、約3時間ほどでしたが、途中でカペルピークやトポップダンなどの鋭鋒も見ることができました。ビューポイントからは、氷河の白さと山々の青さが美しく調和していました。まるで絵画のような光景に感動しました。
ハイキングの後は、ギルギットへ戻りました。ギルギットは、カラコルム山脈の中心地として知られる都市で、多くの民族や宗教が混在しています。ギルギットでは、地元のレストランでおいしい食事を楽しみました。カラコルム山脈では、肉や野菜を使ったシンプルな料理が多いですが、スパイスやハーブで味付けされていてとてもおいしいです。特にチャパティというパンにカレーやチーズをつけて食べるのが好きでした。食事の後は、市場を散策してみました。市場では、色とりどりの布や手工芸品が売られていて、目を楽しませてくれました。カラコルム山脈の人々は、とても親切で温かくて、笑顔で話しかけてくれました。彼らの生活に触れることができて、嬉しかったです。
6日目:ギルギットからナランへ
この日は、ギルギットからナランへと向かいました。ナンガ・パルバットの麓を走るカラコルム・ハイウェイは、まるで絵画のような美しさでした。山々の色彩や形は、時間や天気によって変化し、飽きることがありませんでした。
途中、サイファール湖に立ち寄りました。この湖は、青く澄んだ水と周囲の緑豊かな森林が見事に調和した絶景スポットです。湖畔には、色とりどりの花が咲いていて、まるで天国のようでした。湖面に映る雲や山の姿もとても美しかったです。
サイファール湖からは、クナール川沿いに走りました。クナール川は、インダス河の支流で、パキスタン最大の川です。川の流れは激しく、白波が立っていました。川沿いには、小さな村や農地が点在していて、人々の暮らしを垣間見ることができました。
ナランに着いたら、ホテルにチェックインしました。ナランは、カガン渓谷の中心地で、夏には多くの観光客が訪れます。ホテルからは、カガン渓谷の美しい景色を眺めることができました。夕食は、地元の料理を楽しみました。特においしかったのは、チキンカラヒというスパイシーなカレーです。辛さとコクが絶妙でした。
7日目:ナランからイスラマバードへ
この日は、一週間にわたるカラコルム山脈のハイキングの最終日です。朝早く起きて、ナランからイスラマバードへと向かいます。道中は、カラコルム・ハイウェイを南下し、インダス河の流れに沿って走ります。途中で、タキシラの遺跡に立ち寄ります。タキシラは、紀元前から紀元後5世紀ごろまで栄えた古代都市で、仏教やギリシャ文化の影響を受けた独特の芸術や建築が残っています。タキシラ博物館では、仏像や硬貨、彫刻などの貴重な遺物を見ることができます。タキシラの遺跡は、パキスタンの歴史や文化の多様性を感じることができる場所です。
イスラマバードに到着したら、ホテルにチェックインします。夕食は、パキスタン料理の中でも人気の高いビリヤニを食べます。ビリヤニは、香辛料やナッツ、ドライフルーツなどで味付けした米と肉や野菜を一緒に炊いた料理です。色鮮やかで香り豊かなビリヤニは、カラコルム山脈のハイキングの締めくくりにふさわしい一品です。ビリヤニと一緒に、サラダやヨーグルト、ナンなどもいただきます。デザートは、カルダモンやサフランなどの香辛料で風味付けした甘いプリンのクヌフェを食べます。クヌフェは、中東やトルコなどでも人気のあるデザートで、パキスタンではチーズを入れて作ることが多いです。
食事の後は、イスラマバードの夜景を楽しみます。イスラマバードは、パキスタンの首都であり、近代的な建築物や公園が多くあります。特に見どころは、パキスタン最大のモスクであるファイサル・モスクです。ファイサル・モスクは、白い大理石で作られた巨大なドームと尖塔が特徴的で、夜になるとライトアップされて幻想的な雰囲気を醸し出します。ファイサル・モスクから見えるマルガラ山脈も美しいです。イスラマバードは、カラコルム山脈とはまた違った魅力がある都市でした。
おわりに
最終日の夜、この旅を振り返ってみました。明日は日本に帰国するので、名残惜しい気持ちでいっぱいです。カラコルム山脈は、私が今まで見たことのない美しさと壮大さを持つ場所でした。雪に覆われた山々や氷河、花咲く谷や村々、そしてそこに暮らす人々の暖かさに触れることができました。ハイキングはときには厳しく、ときには楽しく、自分の体力や精神力を試される経験でした。でも、それ以上に感動や喜びを味わうことができました。カラコルム山脈は、世界最高峰の地域としてだけでなく、古くからの歴史や文化を持つ地域としても魅力的です。パキスタンやインドの人々と交流することで、彼らの生活や思想についても少し理解することができました。この旅は私にとって忘れられない思い出になりました。カラコルム山脈にハイキングに行きたい人や興味のある人には、ぜひチャレンジしてみてほしいです。ただし、装備や体調管理には十分注意してください。また、現地の人々や自然に対しては敬意を持って接してください。カラコルム山脈は私たちの貴重な宝物です。
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